違いを知る(4話~)

[第11話] 男女の違い③―目的志向の男、関係志向の女

男は目的志向で、女は関係志向―。男女の違いとして、よく挙げられる例の一つです。

この違いも以前の記事で記した“狩猟採集時代”の影響、即ち、男はひたすら獲物=ターゲットを追いかけ(=目的志向)、女は周囲とコミュニケーションを取りながら共同体を営んできた(=関係志向)という、数百年にわたる習性の名残なのかもしれません。

無論、今や男女の生活パターンは一変しました。

「男は仕事、女は家事育児」といったジェンダーロール(性別役割)は過去のものとなり、女性も職場ではしっかり目標(=実績・成果)を追いかけ、男性も家庭ではしっかり妻の話を聞き(?) 子どもとの円満なコミュニケーションを図る(?)ようになりました。(昔と比べれば…です!! 汗)

それにより、男女間の違いはだいぶ和らいだに違いありません。

…が、少なくとも周囲を見渡す限り、この違いから来る男女間の葛藤はいまだ続いているようです。

さらにこの違いは、他によく知られる諸々の違いにも直結しています。

「ゴール志向とプロセス志向」「モノタイプとマルチタイプ」「マクロ視点とミクロ視点」といった男女間の違いも、実は「目的志向と関係志向」という脈絡から理解できるのです。(後述)

さて、今回はこれまで見てきた「①尊厳重視と愛情重視」「②思考型と感性型(フィーリング型)」に続く、「男女の違い・第3弾」ということでお届けしたいと思います。(ラジオか!? 笑)

今日のコンテンツ

★ 男は目的性、女は関係性が大事?
★ 男が連絡しない理由、女が相談する理由
★ ショッピングは女の喜び、男の苦痛!?
★ 女性はみんなエスパー?
★ 男はいつまでも夢みる少年
★ 男女の特性が人生を豊かにする

男は目的性、女は関係性が大事?

男性社員をやる気にさせる最も効率的な方法—。それはまず、プロジェクトの目的と目標を明確にすることに他なりません。

何のためのプロジェクトか(=目的)、目指すゴールはどこか(=目標)。

逆にゴールが曖昧で、現在地(達成度)が分からなくなると、彼らは一気にやる気をなくしてしまうでしょう。男性にとって大切なのは“ゴール”だからです。

一方、女性にとっては、プロジェクトの目標や達成度よりも、“働き易い職場環境”(人間関係)かどうかのほうがよっぽど大切だと言います。多くの場合、女性が大切にしたいのは“コミュニケーション”だからでしょう。

また、男性たちが話し合う時というのは、決まって“会議”。何かの議題(目的)ゆえに論じ合う訳であって、“ゴール(議題・結論)のない話し合いなんて無意味だ~”というのも、男性に多い感覚でしょう。

しかし、多くの場合、女性たちが好むのは、むしろフリートーク(=“おしゃべり”)。必ずしも“結論が必要”という訳でもなければ、話し合うネタ自体、案外、何でも良かったりします。求めているのは答えや結論ではなくコミュニケーションだから、とのこと。

この違い、夫婦間の対話にも見られるのではないでしょうか? 夫が「で、結論は?用件は何?」と急かしてくるのも“ゴール”が大事だから。他の理由も悪気もありません(!!)

逆に、妻が「ゴールの見えない話」を始めようものなら、夫はあたかも“出口の見えない迷路”に迷い込んだ小動物・・・のような感覚に陥ってしまうでしょう!!(汗)

    

男が連絡しない理由、女が相談する理由

妻たちの不満の中に「夫は用事がない限り連絡をしてこない」というものがあります。でも、それはそうなんです!(汗) 結婚生活を初めて間もない男性たちはきっと、こう思うに違いありません。「え?用事がないのになぜ連絡を!?」

逆に夫たちの多くは、妻たちがなぜ特別な用事なく、友人たちと長電話できるのかが理解できないでしょう。

かつてある奥さんが、一向に連絡をよこそうとしない単身赴任の夫に連絡を入れたところ、「何の用?」と言われたそうです。「何の用じゃないでしょ!私はアンタの妻でしょ~が!」と思ったそうですが、間違いなく、彼に悪気はないでしょう。

目的指向の男からすれば、「何か用事・・(=目的・・)があって・・・・連絡してきたのだろう」と思ったので、そのまま「何の用?」と聞いた訳です。(汗)

また、妻が夫に何かしらの相談をもちかける場合も、しばしば行き違いが生じます。

目的志向の夫は、妻の相談内容に対し、何かと“解決策”を講じようとする訳ですが、決まってこう言われるのです。「いいから黙って・・・聞いてくれない!?」 

黙って聞くことに何の意味があるのか、男性にはさっぱり理解ができないのですが、実際、黙って聞いていると、「あ~スッキリしたわ」と、勝手に解決していくでしょう。女性に必要なのは、コミュニケーションだからです。

ちなみに、男性に話を聞いて欲しければ、女性はこう言いましょう。「私の話を聞いて!それだけで解決するから!」そう言うと、男性は一生懸命、聞くでしょう。“聞く”ことが“目的”になるからです。

     

ショッピングは女の喜び、男の苦痛!?

新婚初期、妻との付き合いの中で、非常~に億劫に思っていたことがありました。多くの男性読者には共感してもらえるに違いありません。そう、“ショッピング”です。

それは「女の無上の喜び、男の苦痛」と言われています(!?) 私も妻のショッピングに付き合いながら実感してきました。(汗)

それでも“楽しいデート”の一環ですから、彼女に「これ、どうかしら」と尋ねられる度に、「おぉ、いいんじゃないか」と心を込めて答えるのですが、彼女は決して買いません・・・・・

さんざん試着を繰り返した挙句、何も買わずに出て来た時の“虚無感”と言ったらありませんでした。「私のこの数時間は、一体、何のためだったのだろうか」と…。

彼女の求めていたものが“二人で共にする時間”であり、“コミュニケーション”だったのだ、と気付くまでには数年かかりました。

さて、目的志向・関係志向という話は、角度を変えれば、男性は“ゴール”を重視し、女性は“プロセス”を重視するという話でもあります。

男性が“結論”から話を聞きたがるのに対し、女性が“いきさつ”や“経過”を追って話したがる理由も、プロセスを大事にしたいからでしょう。

上記のショッピング然り、女性は“プロセス”を楽しみたいのです。

仕事で同じく評価されるとしても、男性が自らの果たした結果や実績(=ゴール)を認められたいと思うのに対し、女性はそこに至るまでの取り組みや努力、苦労(=プロセス)を分かってもらいたいと願うようです。それも即ち、“ゴール志向”と“プロセス志向”といった傾向の違いでしょう。

下記はかつてネット上でバズッた図面です。ショッピングモールでズボンを買う際の男女の動線をコミカルに描いたもの(笑)。ここにも男女の本質的な違いが見てとれるのではないでしょうか?

   

女性はみんなエスパー?

さて、“モノタイプとマルチタイプ”というのも、よく言われる男女の違いの一つです。

目的指向の男性は、目標が定まると、それしか見えなくなる傾向があると言います。よく脳の構造から説明されることもありますが、要するに、一つのことに集中していると、他のことは頭に入らないのです。(=モノタイプ)

もし男性が「仕事をしながら、ずっと君のことを思っていたよ」などと言ったとすれば、それは恐らく“真っ赤なウソ”でしょう。(苦笑)

残念ながら、仕事をしている間、殆どの男性たちは奥さんのことも恋人のことも考えていません・・・・・・・。もし、本当に彼女のことを考えていたとしたら、“仕事をしていた”という方がウソでしょう。

一方で、マルチタイプの女性は、男性の話を聞きながら、同時に“夕食の献立”を考えていたりします。

男性の話が最高潮を迎えた時、「そういえば、今日はじゃがいも安売りなのよ~」みたいな話をされると、彼はガクっとなるでしょう。実は、女性はちゃんと話を聞いていたのですが、なぜいきなり、「そう言えば、じゃがいも…」になるのか、男性には皆目、見当がつかない訳です。

かつてご年輩の方から、こんなエピソードを聞いたことがありました。

ある日、奥様が居間で友人とあれこれ通話しながら(←子機を肩と耳に挟みつつ)畳みモノをしていたと言います。ところが、テレビが付けっぱなしだったため、彼が通りすがりテレビを消したところ、通話中の奥さん、いきなり受話器を下ろして、こう言ったそうです。

「ちょっと、消さないでよ。今、ドラマ見てるんだから。」

彼はそのシチュエーションに大変驚きつつ、その時、“女性はエスパー(超能力者)である”という紛れもない事実・・・・・・・に気付かされたと言います(汗)

料理をしながら電話を取り、目ではドラマを追いかける女性たち―。男性からすれば、それはもう、エスパー以外の何物でもないでしょう(汗)

  

男はいつまでも夢みる少年?

最後に、“マクロ視点とミクロ視点”という違いについて。

男性は世界を動かすような“大きな話”が好きで、歴史に名を馳せた武将たちを描いた大河ドラマや、国家プロジェクトを追いかけたドキュメンタリー番組などを見ると、ふつふつと情熱が湧き上がり、「早く食器、片付けてよ~!」といった女性の一言によって現実世界に引き戻されるまでは、「何でもできるような気分」になることでしょう。

それに比べ、女性が好むのは主に、自分と状況を重ねやすいストーリーや身近な生活情報だと言われます。地に足をつけて生活を考えている女性から見ると、男性はいつまで経っても「夢見る少年」なのかもしれません。しかし、それも男性が「ゴール指向」だからでしょう。

『話が聞けない男、地図が読めない女』曰く、男には世界経済の動向は見えても、目の前のバター・・・・・・・は見えないんだとか(汗)。

ちなみに、4コマ漫画『スヌーピー』の中には、“夫婦間の会話”を彷彿させるような子どもたちのこんなやり取りが登場します。

いつも大人びた哲学を論じるライナス君が、「僕のこの手は偉大な手なんだ!いつかこの手が大きな事業を成し遂げるに違いない!」と興奮して語る傍から、姉のルーシーちゃんがこう言うのです。「その手にジャム・・・がついてるわよ」…。(苦笑)

     

男女の特性が人生を豊かにする

以上、“目的志向と関係志向”という違いを見てきましたが、これについては“男女の違い”などではなく、単に“社会的役割”から来る影響なのでは?という指摘もあります。

冒頭で記したように、女性も職場で日々、目標追求・実績追求されるようになれば、より目的志向になるでしょうし、男性も育メンパパたちであれば、関係志向が見られるに違いありません。

ただ、私はそれでも、“傾向”としての男女の違いはあるように思うのです。

同じ仕事好きでも、女性たちの場合、数値の向上よりも顧客との関係性に充足感を覚えていたり、逆に優秀なキャリアウーマンで実績を上げつつも、目標追求型の職場文化に、男性以上にストレスを覚えているような様子が伺えました。

もしかしたら、目的志向の職場文化ということ自体、極めて“男性的な文化”なのであって、“女性らしい働き方”というものが、もっと尊重されても良いのかもしれません。

私は男女が従来の“ジェンダーロール”に縛られない自由な生き方をすることに賛成です。しかし、それは“男女が同じ・・だから”ではありません。

職場に女性が必要だと思う理由はむしろ、女性には男性にない特性・・・・・・・があるから(細かな気配りや気付き、女性的アイデア等)であって、男性が家事・育児に参与すべきだと思う理由も、子育てには母性だけでなく父性的・・・役割(厳しさやルール、息子との男同士の語らい等)が必要だと思うからです。

異なる男女が共に協力し合うからこそ、そこに新たな可能性と調和が生まれてくるのではないでしょうか?

一つの目的に集中する男性と、多方面にコミュニケーションをこなす女性―。こうした違いも、二人の結婚生活を豊かで刺激あるものにしてくれるに違いありません。

男女が二人で山登りをするとしましょう。男性は山頂を見上げながら「あそこを目指すぞ~」と一目散に歩き出し、女性はすぐその傍から、「この花、可愛い~」と言いつつ、いきなり脇道に逸れていくかもしれません。

しかし、人生が一つの山登りなのだとすれば、男女が共に歩むからこそ、より豊かで味わいのあるものになるのではないでしょうか?

 

まとめ

  • 男性は理論型。頭で考え、納得したい傾向が強い。背後の気持ちまで「フィーリングで分かって!」と期待するのは困難。
  • 女性はフィーリング型。気持ちを察し、共感したい傾向が強い。遠回しの表現が多いため、男性に伝わらない場合が多い。
  • 夫は妻の言葉を表面的にだけ受け止めず気持ちを察し、妻は夫に自らの気持ちや用件を言葉にして説明することが大事。

 

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