男は目的志向で、女は関係志向―。
この違いも以前記した“狩猟採集時代”の影響、「男はひたすら獲物=ターゲットを追いかけ(=目的志向)、女は周囲とコミュニケーションを取りながら共同体を営んできた(=関係志向)」という、数百年にわたる習性の名残なのかもしれません。
無論、今や時代は変わりました。
「男は仕事、女は家事育児」といったジェンダーロール(性別役割)は過去のものなり、女性も職場ではしっかり目標(=成果)を追いかけ、男性も家庭ではしっかり妻の話を聞き(?) 子どもとのコミュニケーションを図るようになりました。(昔と比べれば…です!! 汗)
それにより、男女間の違いはだいぶ和らいだに違いありません。
…が、少なくとも、周囲を見渡す限り、この違いから来る男女間の葛藤はまだまだ続いているようです(!!)
さて、今回はこの辺りをテーマに、「尊厳重視と愛情重視」「思考型と直感型」に続く、“男女の違い・第3弾”ということでお届けしたいと思います。(ラジオか!? 笑)
今日のコンテンツ
★ 男は会議、女はおしゃべりが好き?
★ 男が連絡しない訳、女が相談する訳
★ 女性のショッピングは男の苦痛!?
★ 女性はみんなエスパー?
★ 男はいつまでも夢みる少年
★ 男女の違いが世界を豊かにする
男は会議、女はおしゃべりが好き?
あくまで傾向の話ですが、仕事をする際、男性は“明確なゴール”があることで意欲を燃やし、女性は“円満な人間関係”からやる気を出すと言われます。
男性にとっては“ゴール”が、女性にとっては“コミュニケーション”がより大切だからでしょう。
“話し合い”という場合も、“ゴール(議題・結論)のない話し合いなんて無意味だ~”というのは男性に多い感覚。そのため、男が集まると決まって“会議”になってしまうのでしょう(汗)
一方で、女性たちが好むのは、むしろフリートーク(=おしゃべり)。話し合うネタ自体は、案外、何でも良いんだとか。求めているのは答えや結論ではなく、コミュニケーションだからです。
この違い、夫婦間の対話にも見られるでしょう。
夫が「で、結論は?用件は何?」と急かしてくるのも“ゴール”が大事だから。他の理由も悪気もありません(!!)
逆に、妻が「ゴールの見えない話」を始めようものなら、夫はあたかも“出口の見えない迷路”に迷い込んだ小動物のような感覚に陥ってしまうでしょう!!(汗)
男が連絡しない訳、女が相談する訳
(目的脳/解決脳 & 共感脳)
奥さんたちの不満の中に「夫は用事がない限り連絡をしてこない」というものがあります。
実際、ある奥さんが一向に連絡をよこさない単身赴任の夫に連絡を入れたところ、「何の用?」と言われたそうです。
「何の用じゃないでしょ!私はアンタの妻でしょ~が!」と思ったそうですが、間違いなく、彼に悪気はないでしょう。
目的指向の男からすれば、「何か用事(=目的)があって連絡してきたのだろう」と思ったので、そのまま「何の用?」と聞いた訳です。(汗)
また、妻が夫に相談をもちかける場合なんかも、しばしば行き違いが起こるでしょう。これはよく、”目的脳”(解決脳)と”共感脳”の違いとして説明される例でもあります。
目的志向の夫は、妻から相談される度に「問題を解決せねば!」(=目的)と思い込み、何かと“解決策”を講じようとする訳ですが、妻からは決まってこう言われるのです。
「いいから黙って聞いてくれない!?」
黙って聞くことに何の意味(=目的)があるのか、男性にはさっぱり理解ができないのですが、実際、黙って聞いていると、「あ~スッキリしたわ」と、勝手に“解決”していくでしょう。
女性に必要なのは“コミュニケーション”(=共感)だからです。
ちなみに、男性に話を聞いて欲しければ、女性はこう言いましょう。「私の話を聞いて!それだけで解決するから!」
そう言うと、男性は一生懸命、聞くでしょう。“聞く”ことが“目的”になるからです。
女性のショッピングは男の苦痛!?
(ゴール志向 & プロセス志向)
結婚当初、妻との付き合いの中で、非常~に億劫に思っていたことがありました。そう、“ショッピング”です。
それでも“楽しいデート”の一環ですから、彼女に「これ、どうかしら」と尋ねられる度に、「おぉ、いいんじゃないか」と心を込めて答えるのですが、彼女は決して買いません。
さんざん試着を繰り返した挙句、何も買わずに出て来た時の“虚無感”と言ったらありませんでした。「私のこの数時間は、一体、何のためだったのだろうか」と…。
彼女の求めていたものが“コミュニケーション”だったのだ、と気付くまでには数年かかりました。
さて、目的志向・関係志向という話は、角度を変えれば、男性は“ゴール”を重視し、女性は“プロセス”を重視するという話でもあります。
仕事で評価されるにしても、男性が自らの果たした結果や実績(=ゴール)を認められたいと思うのに対し、女性はそこに至るまでの努力や苦労(=プロセス)を分かってもらいたいと願うようです。
また、男性が“結論”から話を聞きたがるのに対し、女性が“いきさつ”や“経過”を追って話したがる理由も、プロセスを大事にしたいからでしょう。
上記のショッピング然り、女性は“プロセス”を楽しみたいのです。
下記はかつてネット上でバズッた図面です。ショッピングモールでズボンを買う際の男女の動線をコミカルに描いたもの(笑)。
ここにも男女の本質的な違いが見てとれるのではないでしょうか?
女性はみんなエスパー?
(モノタスク & マルチタスク)
さて、“モノタイプとマルチタイプ”というのも、よく言われる違いの一つです。
目的指向の男性は、目標が定まると、それしか見えなくなる傾向があると言います。よく脳の構造から説明されますが、要するに、一つのことに集中していると他のことは頭に入らないのです。(=モノタイプ)
もし男性が「仕事をしながら、ずっと君のことを思っていたよ」などと言ったとすれば、それは恐らく“真っ赤なウソ”でしょう。(苦笑)
残念ながら、仕事をしている間、殆どの男性たちは奥さんのことも恋人のことも考えていません。
もし、本当に彼女のことを考えていたとしたら、“仕事をしていた”という方がウソでしょう。
一方で、マルチタイプの女性は、男性の話を聞きながら、同時に“夕食の献立”を考えていたりします。
そのため、夫の話が最高潮を迎えた辺りで、「そういえば、今日はじゃがいも安売りなのよ~」みたいな話をし、夫を撃沈させてしまう訳です(苦笑)
かつてご年輩の方から、こんなエピソードを聞いたことがありました。
ある日、奥様が居間で友人とあれこれ通話しながら(←子機を肩で挟みつつ)畳みモノをしていたと言います。
ところが、テレビが付けっぱなしだったため、彼が通りすがりテレビを消したところ、通話中の奥さん、いきなり受話器を下ろして、こう言ったそうです。
「ちょっと、消さないでよ。今、ドラマ見てるんだから。」
料理をしながら電話を取り、目ではドラマを追いかける女性たち―。男性からすれば、それはもう、“エスパー”(超能力者)以外の何物でもないでしょう(汗)
男はいつまでも夢みる少年?
(マクロ視点 & ミクロ視点)
最後に、“マクロ視点とミクロ視点”という違いについても付け加えておきます。
男性は世界を動かすような“大きな話”が好きで、歴史に名を馳せた武将たちを描いた大河ドラマや、国家プロジェクトを追いかけたドキュメンタリー番組などを見ると、ふつふつと情熱が湧き上がり、「早く食器、片付けてよ~!」といった女性の一言によって現実世界に引き戻されるまでは、「何でもできるような気分」になることでしょう。
それに比べ、女性が好むのは主に、自分と状況を重ねやすいストーリーや身近な生活情報だと言われます。
地に足をつけて生活を考えている女性から見ると、男性はいつまで経っても「夢見る少年」なのかもしれません。
しかし、それも男性が「ゴール指向」だからでしょう。
男女の違いが世界を豊かにする
以上、“目的志向と関係志向”という違いを見てきましたが、これについては“男女の違い”などではなく、単に“社会的役割”から来る影響では?という指摘もあります。
冒頭で記したように、女性も職場で日々、目標を追求するようになれば、より目的志向になるでしょうし、男性も育メンパパたちであれば、関係志向が見られるに違いありません。
ただ、私はそれでも、“傾向”としての男女の違いはあるように思うのです。
同じ仕事好きでも、女性たちの場合、数値の向上よりも顧客との関係性に充足感を覚えていたり、逆に優秀なキャリアウーマンでも、目標追求型の職場文化に、男性以上のストレスを覚えているような様子が伺えました。
もしかしたら、目的志向の職場文化ということ自体、極めて“男性的な文化”なのであって、“女性らしい働き方”というものが、もっと尊重されても良いのかもしれません。
私は男女が従来の“ジェンダーロール”に縛られない自由な生き方をすることに賛成です。しかし、それは“男女が同じだから”ではありません。
職場に女性が必要だと思う理由はむしろ、女性には男性にない特性があるから(細かな気配りや気付き、女性的アイデア等)であって、男性が家事・育児に参与すべきだと思う理由も、子育てには母性だけでなく父性的役割(厳しさやルール、息子との男同士の語らい等)が必要だと思うからです。
職場であれ、家庭であれ、異なる男女が共に協力し合うからこそ、そこに豊かさと調和が生まれてくるのではないでしょうか?
まとめ
- 男性は目的志向でゴールが大切。結論の見えない話にはストレスを覚える。一つのことに集中するタイプで同時進行は苦手
- 女性は関係志向でプロセスが大切。結論や解決策よりも円満なコミュニケーションを求める。様々なことを同時にこなせる。
- 目的に一途な男性とマルチコミュニケーションをこなす女性。職場も家庭も、異なる男女が共にあってこそ調和が生まれる。