違いを知る(4話~)

[第8話] 夫婦間における最大の違いは男女の違いだった!?

男性と女性は異なる―。

今、ジェンダー平等の時代にあって、「男女が等しい価値・・・・・をもつ」ことを否定する人はいないでしょう。しかし同時に、「男女が異なる特性・・・・・をもつ」ことを否定する人もまたいないのではないでしょうか?

以前、とある国際カップルがこんなことを言っていました。

「振り返ってみると、私たち夫婦の一番の違いは、言語の違いでも、文化の違いでもなく、男女の違いでした」…。

これまで数回にわたり、性格の違いから価値観の違いに至るまで、結婚生活において経験する諸々の違いを見てきました。が、夫婦間における最大の違いは、実は“男女の違い”なのかもしれません。

『なぜ男と女は四年で嫌になるのか』という本があります。カウンセラー兼、医学博士である著者、姫野友美さんがそこに記した冒頭の言葉がこれです。
「それは男と女だから・・・・・・だ」…(汗)

男女の違い―。これを理解できたなら、パートナーに対する“謎”の数々が解けるに違いありせん。 詳細については次回以降、順に見ていきたいと思いますが、今回はまず「男女は違う!!」というシンプルな事実について考察してみたいと思います。

今日のコンテンツ

★ ダーリンは宇宙人!?
★ 男女の違いが諸々の違いを生む?
★ 違いは太古の時代から?
★ 脳のチューニングが違う?
★ 男女は違う…ただ違う
★ 男女は違うから貴い!

ダーリンは宇宙人!?

「私の夫、宇宙人・・・なんですよねー」。奥様方から何度か聞いた言葉です。(汗) 翻訳するなら、「夫の考え方や行動パターンが極めて不可解…」というお話。

でも、それは案外、“旦那さんたちのせい”ではないのかもしれません。

アメリカの著名な心理学者、ジョン・グレイ博士は、その代表作、『ベストパートナーになるために』の中でこう述べています。「そもそも男は火星人、女は金星人だった」

要するに、男女の出会いとは“宇宙人・・・宇宙人・・・の遭遇”(!!) 相手が不可解に思えるのは当然なのでしょう。

相手の言動に、「え?うそ?なんで?」と眉間にしわを寄せているのは、旦那さんたちも同じなのかもしれません。

結婚前、二人の“異星人”にとって、互いの違いや未知の領域は一種の“魅力”でもありました。

ところが、地上で一緒に生活しているうちに、男女は互いが“異星人”であることを忘れ、相手に“自分と同じ性質”を求め、ぶつかり合うようになってしまった―という訳です。

男女が「互いの違いを理解する」には長い時間を要するでしょう。しかし、「互いが違うと理解する」ことはすぐにでも可能です。違うという事実を受け入れるだけで済むのですから。

 

男女の違いが諸々の違いを生む?

生活習慣の違い、関心分野の違い、価値観の違い…。これまで様々な違いを見てきましたが、男女の違いはこうした“諸々の違いを生み出す要因”にもなっています。

例えば、こ~んな感じです。(あくまで“傾向”の話ですが、いわゆる“男女の違いあるある”です。)

<生活習慣の違い>
男性:理屈で動く、結論しか言わない…etc.
女性:感情で動く、経緯を延々と話す…etc.

男性:一つのことに集中する、ストレスが溜まると黙りこくる…etc.
女性:同時にいろいろとこなす、ストレスが溜まるとしゃべりまくる…etc.

<関心分野の違い>
男性:モノと機械、車・ゲーム…etc.
女性:人とのつながり、家・住まい…etc.

男性:自分の趣味と人生哲学、将来の夢と男のロマン…etc.
女性:人の噂話と生活情報、現実の生活と今月の給料…etc.

<価値観の違い>
男性:強くありたい、人の上に立ちたい、世界を変えたい、競争・勝利・成長が大事…etc.

女性:美しくありたい、周りから注目されたい、幸せになりたい、協力・調和・安定が大事…etc.

男性:妻から「頼りになるわ」と言われたい、結果を誉めてもらいたい…etc.

女性:夫から「愛しているよ」と言われたい、苦労を分かってもらいたい…etc.

無論、全ての人にこれがそのまま当てはまるとは思いません。

しかし、例えば、“日本人の特徴”を知ることが(全てがそのまま当てはまらなくとも)日本人を理解するのに役立つように、男女の傾向を知ることは、結婚相手を理解するのに役立つでしょう。

少なくとも、あなたのパートナーが“宇宙人”ではあれ、“ごく平均的・・・な宇宙人”(!?)であることに気付けるのではないでしょうか?

  

違いは太古の時代から?

さて、男女の特性と傾向の違い…、一体、どこから来るのでしょうか?

男女の違いを論じる走りとなった書、『話が聞けない男、地図が読めない女』の中で、著者のアラン&バーバラ・ピーズ夫妻は、男女の違いを「狩猟採集時代」(300万年前~1万年前)まで遡って説明しています。

「え?何?いつの時代?」と思わず、ツッコミたくなる人もいるかもしれませんが、一言で言うなら、長きにわたる過去の生き方の違いが、男女の脳の発達や特性に深い影響を及ぼしてきた、という話です。

例えば、上述したように、男性がモノに関心をもち、勝敗にこだわり、一つの目標を追いかけ、壮大な物語に惹かれる傾向をもつのも、言わば、男たちが皆かつて、遠方に目を向け、壮大なフィールドを駆け巡り、獲物(ターゲット)を追いかけてきたことの名残である、とのこと。

また同様に、女性が人とのつながりを大事にし、感情を汲み取ることに長け、周囲との和を尊び、生活の細かなところに目が向くのも、女性たちが周囲と円満な関係を築いて共同体を成し、日々の生活を営んできた、長きにわたる習性によるものだといいます。

数百万年続いてきた生き方が男女の特性の違いを生んだ―。そう考えてみると、相手が自分と異なる感覚をもっていることにも“寛容”になれるのではないでしょうか? 

もし奥さんが日々、あなたの些細な欠点を細かく指摘してくるとしたら、それは恐らく “300万年間続いてきた習性のせい”であり、もし旦那さんがあなたの話をじっと座って聞き続けられないとしたら、それもきっと“狩猟時代のせい”なのでしょう(!!)

 

脳のチューニングが違う?

また、35万部を突破したヒット作、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』を著した黒川伊保子さんは、脳研究者として、男女の特性の違いを“脳科学”及び“生殖本能”の違いから説明しています。

曰く、脳の構造そのものは男女共に“全機能搭載”であって、男女間に大きな差異が見られる訳ではないが、「脳のチューニングが異なる」(=使用部位が違う)とのこと。

ラジオで例えるなら、ニュース番組であれ、音楽番組であれ、どの周波数にチューニングするかによって聞こえる内容は変わってきます。

同じように、脳も普段どのようにチューニングされているかによって、「目標を追いかける脳」にもなれば、「コミュニケーションを結ぶ脳」にもなる、という訳です。

縄張りを守り、群れを守るべきオスたちの脳が主に、外界の危険を素早く察知し、問題解決(目標達成)を急ぐようにチューニングされているとすれば、子を産み、守り育てるメスたちの脳は主に、子どもたちの快不快を察し、成長のプロセスを根気よく見守っていけるようにチューニングされているのだと言います。

こうした違いから、上述したように、夫は妻の気持ちを汲み取る前から「で、結論は何?」と急かせて妻の感情を逆なでし、妻は妻で、感情を察することが苦手な夫を相手に、「言わずに察してよ~」と無理な要求を抱いては、自ら不満を募らせる―と、そんなズレが生じてしまうのでしょう(!!)

また黒川さん曰く、哺乳類のメスは生殖リスクが高い分、優秀な種を残すためにも「オスを厳選しよう」という意識が強く(=男を見る目が厳しい!)、ひと度、子をもったメスの母性本能は全力で子孫を保護することに向けられるため、オスに対しては子どもと群れを守るために「速やかに全能力を提供せよ」(=やっぱり夫には厳しい!!)という本能に駆られるんだそうです。 (汗)

  

男女は違う……ただ違う

さて、私は脳科学者でも生物学者でもありませんが、これまで多くの相談に応じながら、男女間には傾向や特性の違いがあること、そしてそれが大きな誤解や行き違いを生んでいることを目の当たりにしてきました。

無論、男女の違いにも“個人差”はありますし、全てをステレオタイプで捉える必要はないでしょう。

ただ、それでも、男女の特性の違いを知っているのと知らないのとでは、夫婦間のコミュニケーションに雲泥の差が生まれると思うのです。

具体的アドバイスについては次回以降にしたいと思いますが、基本的な捉え方として押さえておきたいことは、これまで述べてきたことと同じです。

即ち「違いをどう見つめるか」「共通項をどう見出すかー。

前者の観点で言うなら、「ただ“違う”ということを知る」ことです。「何がどう違うか」まではよく分からなかったとしても、まずは「違う!!」ということを肝に銘じておくこと。

男女間の誤解や葛藤は、互いが“異性人”であることを忘れてしまうことから生じるからです。

 

男女は違うから貴い!

上では、違いをどう見つめ共通項をどう見出すかがポイントだと記しましたが、殊、“男女の違い”について言うなら、その両方の観点が次の一言に集約されます。

それは「男女は違うから貴い」という捉え方です。男女の“共通した価値”というのもまた、双方の“違い”にあると思うからです。

男女の違いという時、その考え方自体に抵抗を覚える方々がおられることも、よく分かっています。

それは、過去の画一的な価値観(男尊女卑や性別役割分業…etc.)に対する反発なのかもしれませんし、男女という枠組みが一人一人の個性や性的マイノリティーの抑圧につながると思われるからなのかもしれません。

ですが…、私はこんなふうに捉えています。(下図参照)

男性・女性という前に大切にされるべきは“人間性”です。過去、男尊女卑の思想は、一方の性をその人間性まで疎外してきました。それはしっかり正されるべきでしょう。

しかし、その一方で、私は“個性”を尊重する前に、“男性性”“女性性”が尊重されるべきだと思うのです。

無論、男女という枠組みが“個性”を否定してしまっていいとは思いませんが、だからと言って、“男性らしさ”や“女性らしさ”まで否定してしまうとしたら、それが“男女の等しい価値”を高めることになるのでしょうか?

本当の男女平等とは、互いの性を尊び、尊重することなのではないでしょうか?

男女の違いは「社会が押し付けたもの」などではなく、男女が「互いの内に求める貴い特性」である―と、私は思います。

それが、男女平等と言われる昨今においても、婚活の現場では“男性らしさ・女性らしさ”が強調されている理由ではないでしょうか? 男女双方がその特性を欲しているのです!!

男性が男性らしさを、女性が女性らしさを求め、互いがその違いを尊重し大切にする―。

そのほうが「男女平等だ」「個性が大事だ」と言いながら“男性らしさ・女性らしさ”を失っていくことよりも、よっぽど、円満な夫婦関係を築けると思うのです。

ピーズ夫妻はこう述べています。「男女は違う。どちらが優れている、劣っているということではなく、ただ違う・・・・・のだ。」 

私はこの言葉に次のように付け加えたいと思います。「男女は違うからこそ、互いにかけがえのない価値がある」。

男女の違い―。それは、最初は葛藤の要因にもなることでしょう。しかし、過ぎて見れば、その違いはきっと、男女が“互いを補い合うため”に付与された貴い特性であったと気付かされるに違いありません。

 

まとめ

  • 男女の違いは長きにわたる人類の発達過程に端を発するものであり、他の諸々の違いを生み出す要因にもなり得る。
  • 大切なことは「互いが違う」と知ることであり、この事実を忘れてしまうことから葛藤が生じる。(違いの捉え方)
  • 男女は違うからこそかけがえのない価値があり、違いを尊重し合うところに男女の等しい価値がある。(共通項の発見)

 

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