夫婦の会話がない―。
多くの場合、このことに苦痛を感じているのは女性でしょう。悲しいかな、男性には自覚がありません(!!)
男性が唯一認識していることは、「なぜか家内はいつもイライラしている…」というものでしょう。
「アンタのせいでしょ~!!」という奥様の声が飛んで来そうですが、ここには“会話”そのものに対する男女間の考え方の違いがあるのです。
暫く男女の違いを扱ってきましたが、特に今回からは、“夫婦間のコミュニケーション”をテーマに話を進めていこうと思います。
今日のコンテンツ
★ キャッチボールにならない!?
★ 男性のコミュ力は限りなくゼロ?
★ 女性にとっての会話は水分補給?
★ 夫婦の会話に潤いを!!
キャッチボールにならない!?
「私はただフツーに夫婦の会話がしたいだけなんです」
多くの奥様方がそう言います。家に帰ってきても、ろくに会話がない。職場のことを聞いても答えたがらない。終いには、食事中にもスマホを見始める始末…。
それでいて、生活に必要な最低限の内容だけはしっかりきいてきます。「なぁ、歯磨き粉どこ~?」
コミュニケーション(=ここでは”会話”)とは、言わば「言葉のキャッチボール」。
投げては捕る、捕っては投げる、の繰り返し。そうした動作の連続が二人の間に共感を生み、親睦を深める訳です。
ところが…。夫たちの多くは自分から“投げる”ことはおろか、捕ることも、投げ返すこともしてきません。
妻:「この服、今日セールだったのよ」
夫:「ふ~ん」
妻:「……。安物に見えないと思わない?」
夫:「うん」
妻:「……。でね、、子どもたちの分も買ったわけ。」
夫:「そう」
妻:「……(はぁ、会話がしんどい!!)」
それはもはやキャッチボールではなく、一人でボールの壁当てをしているようなもの。いえ、壁当てならボールが返って来るだけマシでしょう。
言わば、自分で投げたボールを、自分で取りに行かされているようなもの。奥さんたちがイライラするのも無理もないでしょう。
客観的に見るなら、夫側に問題があることは明らかです(汗)。しかし同時に、夫の反応にいちいち腹を立ててしまう妻側のイライラがまた、コミュニケーションを悪化させる一因にもなっているのです(!!)
円満な会話を始めるには、まずは、こうした状況を引き起こしている原因、「コミュニケーションに対する認識そのものが夫婦の間で違う!」という点から押さえておきましょう。
男性のコミュ力は限りなくゼロ!?
前項で紹介したように、男性は概して“目的志向”と言われます。“言葉”も何らかの“目的”を遂行するための手段であって、豊かなコミュニケーションツールだという認識は極めて希薄でしょう。
女性が一日に発する平均単語数が約2万語であるのに対し、男性が7千語でしかない(=米メリーランド大学での研究結果)のにも合点がいきます。
男性にとっての言葉は最低限の“情報伝達手段”でしかないのですから。
次の会話はそうした違いを表す一例です。
(髪を切った時の女性同士の会話)
「あ、A子、髪の毛切ったんだ!すっごくいい感じ~」
「そうなの。実はカールしようかどうかで悩んでたんだけど」
「絶対、それ似合ってるって。A子は顔小さいからいいよね~」
「え~、そんなこと、ないってば」
「それに軽く染めたでしょ。」
「あ、気付いた~? ホントに薄くなんだけど、実はさぁ…」(会話は延々と続く…)
(髪を切った時の男性同士の会話)
「髪切った?」
「おう」(完)
実際、男性同士の会話ならこれだけでオーケー。「俺が髪切ったのに、そのリアクションの薄さ、なんだよー!」とはならない訳です。
要するに―。
家で夫の言葉数が少ないからと言って、妻に対する愛情が冷めた訳でも、不満がある訳でもありません。
むしろ仕事や職場での付き合いゆえに、既に一日分の使用言語を使い果たして帰宅した夫にとっては、それは言葉を強要されなくてもいい“心地いい空間”であり、“ひと時の安らぎ”なのかもしれません。
かつて、ある奥さんが、「夫の私への愛情はもう冷めてしまったんだと思います。最近、ほとんど対話がなくて…」と深刻に相談してきたケースがありました。
ところが、夫の方に話を聞いたところ、明るい表情で、「夫婦仲ですか?とてもうまくいってますよ。彼女といると、とっても心が休まるんです」とのこと。ひとしきりノロケ話を聞かされたことがありました。(笑)
女性の皆さん。男性たちは基本、コミュニケーション能力(コミュ力)が“ゼロ”なんだ、くらいに思っておいてください。そして、まずはご自分の不安やイライラから自由になりましょう。
奥さんたちが心にゆとりを取り戻し、明るい表情に戻るだけで、夫婦のコミュニケーションはガラッと変わるからです。
女性にとっての会話は“水分補給”?
一方で、男性の皆さんへ。
結婚前までは、しっかり声をかけ、彼女の話に耳を傾けていたはず。
それが今、奥さんとのコミュニケーションを怠ってしまっているのは、きっと、“結婚した”という安心感ゆえであり、奥さんへの信頼感ゆえでしょう。
結婚した以上、あなたにとっての“目的”は、奥さんと向き合って愛を語らい合うことではなく、しっかり稼いで家を守り、家族を養っていくことなのかもしれません。
その考えを否定はしませんが、そこには一点、決定的に欠けているものがあります。
それは“奥さんにとってのコミュニケーションの大切さ(=切実さ)”です!
女性にとってのコミュニケーション(特に会話)は“呼吸”のようなものだと思ってください。長い沈黙は、“呼吸困難”をもたらしかねません(汗)。
或いは、“水分補給”とも言えます。女性たちは会話という水分が不足すると、肌がカサカサになる代わりに、心がトゲトゲしてくるのです。
喉が渇いた時に水を欲する感覚―。あれが、会話のない生活の中で奥さんたちが感じている世界だと思ってください。
それでも、帰宅時、黙ってスマホを見続けようと思いますか?(苦笑)
夫婦の会話に潤いを!!
多くの男性にとって、コミュニケーションを結ぶ、会話をするというのは“力”の要る作業なのかもしれません。
セールスやコーチング等、コミュ力を売りにしている人たちでさえ、“仕事以外”のことで誰かとコミュニケーションを取る、というのはしんどく感じられることでしょう。
でも、それが妻の切実な願いであり、妻の幸福度を何よりも高めることだったとしたら、どうでしょうか?
婚活でも、女性が男性に願う資質として挙げられているものが(価値観や人格といった内面を除き)“経済力”であると同時に、“コミュ力”(楽しい会話・ロマンチックな会話)なのです。
楽しい会話と言われると、“どうやって?”と思われるかもしれませんが、実は円満なコミュニケーションを結ぶというのは、そんなに難しいことではありません。
具体的な会話術については、次回紹介してみたいと思いますが、まずは男性の皆さん、奥さんに笑顔でいてもらいたいと願うのであれば、まずは会話を通した“保湿”に努め、“潤いある夫婦仲”を心がけましょう。
会話に潤いが十分であるかどうかは “奥さんの表情”からご判断ください。(笑)
まとめ
- 多くの場合、夫が家で口数が少ないのはただ安心し切っている証拠。「男はコミュ力がゼロなのだ」くらいに捉えよう。
- 妻のイライラは会話を取り戻すのに逆効果。夫の会話のなさを不安に思わず、まずは自分のイライラから解放されよう。
- 妻にとって会話は水分補給も同じ。夫は会話の必要性を十分に自覚し、夫婦間に脱水症状をもたらせないようにしよう。