結婚すると人が変わる―。
確かによく聞く話です。でも、それって本当なのでしょうか?
シリーズ初回として、今回はこのテーマを取り上げてみたいと思います。
「結婚したら相手が変わるのでは?」と不安を抱いているあなた。
「結婚後、相手が変わってしまった~」と嘆いているあなた。
結婚に対する見つめ方が、ちょっぴり "変わる” かもしれません。
今日のコンテンツ
★男(女)は結婚すると変わる!?
★実は何も変わっていない!?
★結婚とは"本当の変化”の始まり
男(女)は結婚すると変わる!?
結婚してから相手の態度が変わった…。私もそうしたケースを数多く見てきました。
例えば、こんな感じです↓
結婚前までは、忙しい中でも時間を割き、贈り物も小まめにしてくれた彼が…
・何かをお願いしても、面倒くさそうにする
・仕事から帰ると、すぐ部屋に閉じこもる
・口数もサービスも減り、態度まで素っ気なくなってしまった…etc.
女性たちはそうした彼らのものすご~い変わり様に、「結婚前の素敵な彼は何だったのよ~!」と、険しい表情を浮かべる訳です。
しかし、その一方で、男性たちも同じようなことを言います。
「交際していた頃はもっと優しかったし、小言も言わなかった。いつもきれいに着飾り、明るい笑顔で迎えてくれた。君は結婚して変わったよ」。
親切だった彼が素っ気なくなり、優しい彼女が手厳しくなった…。
でも、皆さん、よくよく考えてみてください。これって、本当に“変わった” のでしょうか?
実は何も変わっていない!?
結婚前後で“変わって見える”のは本当でしょう。でも、その “真相” は次の通りではないでしょうか?
真相その1. 本性が現れただけ!
結婚前に見ていたものは互いの“一部”でしかありません。限られた時間 & 空間の中では、“素敵な男優・女優”を演じることも可能でしょう。
ところが “生活” となると、そうはいきません(!!)
イソップ童話『花嫁になったネコ』の物語は、この辺りを分かり易く例えています。
凛々しい青年に一目ぼれした雌ネコが、女神様にお願いして“素敵なレディ”に大変身。彼の心を射止め、めでたく結婚にゴールインするのですが…。
結婚生活が始まった途端、ネコの“本性”が丸出しに。昼間は寝続け、食卓をあらし、ねずみを追いかける始末。
リアルワールドでも同じです。結婚したからといって、人の本性はそう簡単に変わりやしないのです!!
真相その2. 欠点が目につくようになっただけ!
「恋は盲目」と言われるように、人は恋愛相手のこととなると、まともな判断ができなくなるといいます。
その理由は、恋愛中に分泌される脳内ホルモンにより 脳がハイ状態になるため。(汗)
特に初期段階で分泌されるフェニルエチルアミン(PEA)は“天然の惚れ薬”と呼ばれるほど。
その効果で判断力が低下し、「あばたもえくぼ」といった “幸せな錯覚” が生まれる訳です。人に繁殖を促す自然界の業なのかもしれません。
ところが…。ホルモン分泌がおさまり、冷静になってみると、やっぱり「あばたは あばた」(!!)
物理学者リヒテンベルグは言いました。
「恋は人を盲目にするが、結婚は視力を戻してくれる」
そう、相手が変わって見えるのは、あなたの視力が戻ったからなのです!(苦笑)
真相その3. 互いの違いが表面化しただけ!
どんなに気が合う二人でも、異なった環境で生きてきたわけですから、発想や考え方は違って当然。
結婚生活が始まれば、“違い”はおのずと現れてくるでしょう。
特に男女が結婚に対して抱くイメージは、全くもって相容れません。
結婚カウンセラーの石井希尚氏の言葉を借りるなら、男は元より「身勝手なハンター」。目的のものを射止めたが最後、関心も薄れていくでしょう。
ところが、一方の女性は皆、「シンデレラ」。結婚が、私に最高の幸せをもたらす“シンデレラの魔法”であることを期待します。
結婚を堺に、意識が薄れていく男性と、期待や要求が強くなっていく女性―。
結婚後、すれ違いが生じてくるのも無理もありません(汗)。
結婚とは“本当の変化”の始まり
結婚したら人は変わる(→それが結婚生活に弊害をもたらしている!!)というのは、私たちの抱く大きな思い違い。
結婚後に葛藤が生じるのは、互いが「変わったから」ではありません。逆に「変わっていないから」なのです!
二人が一緒になれば、ボロも出るし、互いの欠点も見える。ダメな自分とも向き合わなければならなくなるでしょう。
しかし、そうした過程を通して、人は本当の意味で成長し、成熟していくのではないでしょうか?
すなわち、男性も女性も、結婚を通して“変わらなければならない”のです!
“ネコ”から本当のレディに変わらなければならないし、“惚れ薬”に頼らずとも、相手のあばたをえくぼとして見てやれる、心の器を培う必要があるでしょう。
互いの違いを理解し合い、高め合う二人に“成長”していく必要があると思うのです。
二人の間に生じる結婚後の衝突は、決して“悪いこと”ではありません。
結婚とは「より深みある人間」になっていくための変化と成長の始まりだからです。
そこで経験する変化や戸惑いも、自己成長のための豊かな糧となるに違いありません。
結婚を前に踏みとどまっている皆さん、結婚後の変化に当惑している皆さん、それって“イイこと”だと思いませんか?
まとめ
- 結婚後に葛藤が生じるのは、実は互いが「変わった」からではなく「変わっていない」から。
- 未熟な姿や欠点が露わになったり、両者の違いが表面化することで葛藤が生じる場合が多い。
- 結婚は、より深みある人間になるための「変化と成長」の始まり。変わっていくことが大切。
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