③コミュニケーション

夫婦の愛は育むもの ―「恋から愛へ」のステップ

恋と愛とは違います。

よく言われる、「結婚後、夫婦の愛が冷めた~!!」という話。これは実は、“が冷めた”のではなく、“が冷めた”のです(!!)

そもそも愛とは“最初からあるもの”ではありません。結婚生活を通し、二人でゼロから育んでいくものなのです。

 

愛の種が芽を出し、茎をのばして、豊かに成長していくには、水をやり、肥料をやり、大事に育んでいく“努力”が必要でしょう。

“恋”が芽生えるのに努力が必要なのではありません。“愛”が芽生えるのに努力が必要なのです

 

さて、今回は、恋と愛の違いを踏まえながら、この“愛”をどう育てていくのか―、“恋から愛に至るまでのステップ”について見ていきたいと思います。

  

今日のコンテンツ

★夫婦の“愛”が冷める理由!?
★自分本位な恋、相手本位な愛
★受動的な恋、主体的な愛
★恋から愛へのステップ
★真実の愛を育むために

 

夫婦の“愛”が冷める理由!?

一般的に、“夫婦の愛が冷める要因”として、次のようなことが言われています。

・遠慮や恥じらいがなくなった
・感謝の言葉が少なくなった
・相手の欠点が見えるようになった
・互いを異性として見れなくなった    …etc.

ただ、これらは皆、要因・・というよりも、“結婚がもたらした結果・・”でしょう。

 

より根本的な要因は、二人の関係が結婚を通して、“特別な関係”から“当たり前の関係”に変わった―という点にあります。

そのことで、気が緩んだり、遠慮がなくなったり、“異性”という意識が薄れたりする訳です。「結婚は恋愛の終焉」と言われる所以でしょう。

 

初めて言葉を交わした時の感動も、相手と出会ったばかりの頃のトキメキも、永遠に続くわけではありません。

逆に、朝夕に顔を合わせ、二人で朝食を取るたびに“ドキドキ”していたら、それこそ生活になりません!!(汗)

もし、胸の高まりや、ときめく恋心が“愛”であると言うなら、すべての愛は、時と共に色褪せてしまうほかないでしょう。

 

精神科医、M・スコット・ペック博士は言いました。「本当の愛・・・・が始まるのは、恋から覚めた時・・・・・・・なのかもしれない」

もともと“恋の効力”は長くて3~4年。今、「恋が冷めたかも!?」と焦っている皆さん。“本当の愛”が育っていくのは、正にそこからなのです!!

  

自分本位な恋、相手本位な愛
(恋と愛の違い①)

『オーラの泉』の美輪明宏(あきひろ)さんはこう述べています。「恋は自分本位、愛は相手本位」。

もっと分かり易く言うなら、“相手を得る”ことで“自分を満たしたい”のが恋。

“自分の全てを与える”ことで“相手を満たしたい”のが愛です。

即ち、恋と愛とでは“ベクトル”が違うのです!!

 

もちろん、人は誰かに恋心を抱くと、その人のためなら「何でもしてあげたい」と思うでしょう。そのため、最初はこう錯覚・・するのです。「間違いない。これぞ真実の愛だ!!」と。

しかし、恋のベクトルは常に、“相手を満たすこと”よりも、“自分が満たされること”に向けられています。

そのため、“与えること”よりも“見返り”のほうが大事であって、見返りが十分でない・・・・・と感じられた瞬間、こう思い始めるのです。

「これはフェア・・・じゃない!!」 

 

相手を満たすことだけで自分も幸せになれる―。そんな“愛の衝動”は、結婚生活を通して育んでいく・・・・・ものなのです。

 

受動的な恋、主体的な愛
(恋と愛の違い②)

恋とは、相手からの刺激・・・・・・・によって引き起こされる“受動的な反応”(好感・高揚感)。頑張って・・・・変えられるものではありません。

パートナーが笑顔であったり、良くしてくれたり、セクシーに見えたりすると、バロメーターが上がって「好きだ~!!」となりますが、相手が素っ気なかったり、イライラしていたり、だらしなく見えたりすると、一気に目盛りが下がり、「嫌だ~!!」となる訳です。

要するに、すべてが相手次第(!!) 

 

これに対して、愛とは自らの意思や行動・・・・・・・・によって引き起こされる“主体的な情動”を言います。

相手が悪態をつく時も、苛立っている時も、元気のない時も、“それでも相手のために尽くそう”という、主体的な気持ちを“愛”と言うのです。

恋心は努力で作り出せるものではありません。が、愛は相手を思う気持ちと行動から沸き起こり、不思議なことに、愛すれば愛するほど、もっと愛したいと思うようになるのです。

 

自らの魅力を磨き、相手の恋心を引き出そうとする“努力”もまた、相手を思う“愛”からもたらされるでしょう。

長きにわたる結婚生活において、夫婦を結びつける力とは、恋ではなく愛なのです!!

 

恋から愛へのステップ
(関心→理解→信頼→愛)

では、どのように愛を育んでいくのかを見ていきましょう。

下記は私自身のカウンセリング経験をもとに整理した「恋から愛に至る4つのステップ」です。

結婚生活が長い方でも、“すっ飛ばしてしまったステップ”がないかどうか、今一度、確認してみてください。 

その1.「関心」のステップ

結婚前、二人は互いの良い面ばかり見せ合いますが、生活が始まるや、夫のステテコ姿や妻のすっぴん姿まで、“知りたくないこと”までバッチリ知ることになるでしょう。(汗)

愛を育む最初のステップは「相手を正しく知る段階」です。時には、何十年、生活を共にしながらも、相手のこと(ホンネの気持ちや人生体験)をよく分かっていなかった(!!)というケースも見受けられます。

“長年一緒にいるから相手のことが分かる”のではありません。“関心”を向け、“知ろう”としない限り、相手を知ることはできないでしょう。愛の始まりは関心なのです。

その2.「理解」のステップ

相手のことを知れば知るほど、「なんでそうなるわけ!?」「理解できない~!?」といった事柄が、次から次へと、沸騰する鍋の水のように、ボコボコ生じてくることでしょう。

結婚生活を共にすることを通して、性格の違い、生活習慣の違い、価値観の違いといった“諸々の違い”が二人の前に立ちはだかるのです!!

 

愛を育む第二のステップは「相手を理解する段階」

「どうして!?」を理解しようとせず、放置したままにしておくと、いつの間にか、二人の間には深い“溝”ができ、さらに放置すると、そこに“小川”(?)が流れ出すでしょう。

それはやがて大河となり海となって、終いには呼んでも声が届かない程の“心の距離”が生じてしまうのです!!

夫婦間の衝突や離婚問題は、実はこのステップで起きていると言えます。

その3.「信頼」のステップ

越え難い壁を越え、互いのことが理解できるようになると、二人の間には“安心感”が生まれてきます。

と同時に、遠慮がなくなってくることで、互いの“ボロ”が、ボロボロ出てくるでしょう(汗)。不遜な態度に出たり、当たりがキツくなったり…。

しかし、それは“愛が冷めた”からではありません。「信頼していいんだ」という安心感が芽生えたからなのです(!!)

 

愛を育む第三のステップは、「互いの信頼を深める段階」。

良くない姿を見せ合うことで、気分を害したり、衝突することもあるに違いありません。

しかし、小さな喧嘩と和解を繰り返しながら、また互いの不足を受け止め合いながら、本当の意味で、二人の信頼が深まっていくのです。

その4.「愛」のステップ

さて、上記をベースに到達する最後のステップが「愛情を高めていく段階」です。

二人は既に“安定した関係”を築いていますが、さらに理想的で魅力的な関係を築くには、自らの人間性を培い、男女としての魅力をさらに磨いていく必要があるでしょう。

そうして再び“恋の花”を咲かせ、もう一度、互いに“惚れ直す・・・・”のです!!

 

交際していた頃、男性が責任感ある素敵な姿を見せていたのは、ただ単に、自分に気を引き付けたかったからでしょう。

しかし、このステップで男性が“より立派な夫”になろうと思うのは、ひとえに、“妻の喜びと幸せのため”(!!)なのです

また、妻が改めてメイクアップし、綺麗になろうと努めるのも、もはや“自分が愛されたいため”でも、“自己重要感を満たしたいため”でもありません。

それはただ、“夫の喜びと幸せのため”なのです。

相手のために自分を磨く―。私たちが目指したいのは、きっと、そんな夫婦の姿ではないでしょうか?

     

真実の愛を育むために
(恋人と夫婦の違い)

以前、結婚していく娘に母が送った「夫婦と恋人の違い」のメモ書きがネット上で大反響を呼びました。 下記はその抜粋です。

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恋人とは不安との戦い 夫婦とは不満との戦い
恋人とは つのる情熱 夫婦とは あふれる愛情
恋人とは 快楽  夫婦とは 忍耐と寛容
恋人とは 休日娯楽 夫婦とは 日常生活

恋人とは ときめきをくれる関係
夫婦とは 信頼と安心をくれる関係

恋人とは 相手に完璧であることを求めること 
夫婦とは 相手が不完全であることを認めること

恋人とは 幸せ気分を味わうもの
夫婦とは 幸せを 作り出すもの

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二人が出会った当時の高揚感、互いに惹かれ合うだけの恋の情熱を“愛”と呼ぶなら、それはまだ“未成熟段階・・・・・での愛”であったと言わざるを得ないでしょう。

成熟した愛真実の愛とは、新鮮さやトキメキが失われた後も、なお色褪せず、深みを増していく愛であるに違いありません。

それは“最初からあるもの”ではなく、“夫婦で共に育んでいくもの”なのです。

 

今、あなたが経験している葛藤や衝突も、きっと、二人の間に“真実の愛”を実らせるための豊かな肥やしになるに違いありません。

 

まとめ

  • 愛は二人で育てていくもの。夫婦間の問題は“愛が冷めていく過程”で起こるのではなく、“愛を育てていく過程”で起こる。
  • “恋”は相手によって“自分”を満たそうとする自分本位な衝動。結婚生活には、互いに“相手を満たそう”とする“愛”が必要。
  • “恋”は相手に対する受動的反応。夫婦関係は相手の態にかかわらず与えようとする主体的態度、“愛”によって豊かになる。
  • 愛は“関心―理解―信頼”といったステップを通して育まれ、“未熟な愛”から“成熟した愛”(真実の愛)へと深みを増していく。


 



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