夫は頼られたい、妻は愛されたい―。
男女平等の時代とはいえ、この辺りの心理は、昔から変わっていないのかもしれません。
自立心旺盛な女性であっても、パートナーには、自分を大事にしてくれる、頼り甲斐のある男性を求めることでしょう。
また、どんなにひ弱になった(!?)と言われようと、やっぱり男性のホンネとしては、女性を守りたいし、リードしたい(!!)のです。
この辺りの男性心理・女性心理を心得るだけで、夫婦関係は劇的に変わるでしょう!
さて、今回からは特に「コレだけ分かればうまくいく!!」と言える男女の違いを一つずつ取り上げながら見て行きたいと思います。
今日のコンテンツ
★ 男性のヒーロー願望
★ 女性のお姫様願望
★ ウルトラマンが闘い続けるには
★ 妻が“女神様”でいるためには
★ 互いの心の泉を満たそう
男性のヒーロー願望
男性たちは皆、幼い頃、世界を救う“ヒーロー”に憧れ、「いつか自分もヒーローに…」といった願望を抱きます。
この時、彼らが考えるヒーローの第一条件とは、何といっても「強さ」。“イケメン”である必要はありません。
強さ(力)への憧れは大人になっても変わらないでしょう。
それは何も、身体的な強さ(腕力・体力)だけを言っているのではありません。学力、技術力、財力、権力…等、他者より秀でた能力やスキルのことを言います。
人にできないことができる―。それが男性のステータスとなり、そうした自らの力をもって周りに認められたい、称賛を浴びたい…というのが、男たちの飽くなき願望でしょう。
“見てみて~すごいだろ~!”と、母親を前に得意げになって、階段を飛び降り、塀を飛び越え、調子に乗っては滑って転んで大泣きする―。そんな男の子たちがそのまま大きくなったのが、あなたの横にいる夫だと思ってください。
幾多の苦い人生経験を通して、闘いや競争に疲れ果てているケースもあるでしょう。
しかしそれでも尚、男性たちは皆、内心において、自分がやっていることが“凄いこと”であり、それが世界を救い、誰かを幸せにしているのだと、そう信じたいのです。
もし彼の傍らに、自らの力と価値を信頼し、称賛してくれる女性がいるとしたら、彼はその女性にぞっこんにならざるを得ないでしょう。
女性のお姫様願望
さて、男の子たちがロボットやマシーンに夢中になる一方で、女の子たちは“可愛いもの・綺麗なもの”に目を奪われ、興味をそそられるでしょう。
女性が求めるもの―、それは“美しさ”(美)に他なりません。美しいもので身を包み、おしゃれなもので周囲を飾り、自らがまた“美しくありたい”と願うのです。
男性が「ヒーロー願望」なら、女性が抱くのは「お姫様願望」。
男性が力や強さを求め、周囲から称えられ、認められることを願うとすれば、女性は美しさを求め、周囲から注目され、愛されることを願うでしょう。
女性にとってのメイクとは、自らをお姫様に変える“シンデレラの魔法”であり、何かの記念日に、いつもと違った服に着替え、街を出歩く時なんかは、ちょっとした“お姫様気分”を味わうに違いありません。夫たちがムードのない会話を挟まない限り…(汗)
男性が自らの“能力”や“やったこと”を褒められて喜ぶのに対し、女性は“自分自身”が称えられることを喜ぶ傾向があるといいます。
例えば、男女が人前でプレゼンを行ったとしましょう。男性なら「あなたのプレゼンは見事だった」と言われて喜びますが、女性の場合、「プレゼンしているあなたが素敵だった」と言われたほうが嬉しく思うといいます。
男性が自らの力を示すために作品を創る立場だとすれば、女性は作品そのものなのでしょう。
しかし、男性が力の競争にさらされ、疲弊しているのと同じように、女性においても“美しくありたい”または“美しくあらねば…”といった内外のプレッシャーに憔悴しきっているケースもあるでしょう。
そんな中、もし傍らに、あなたという作品の素晴らしさを称え、それを愛し、大切に思う男性がいるとしたら、あなたはその男性から離れられなくなるに違いありません。
ウルトラマンが闘い続けるには
ジョン・グレイ博士は言います。男性は自分の力を誰かに必要とされて“存在価値”を覚え、女性は誰かに愛され、大切にされて“存在価値”を実感するのだ、と。
分かり易い質問をしましょう。尊敬”と“愛情”のうち、あなたが配偶者から得たいのはどちらでしょうか?
多くの場合、妻が得たいのは“愛情”ですが、夫が得たいものは“尊敬”です。「えっ」と思われるかもしれませんが、夫は妻から「愛してるわ」と言われるよりも、「尊敬してるわ」「頼りにしてるわ」と言われたいのです。(←ホント、そうなんです!!)
また、自分の苦労をねぎらい、「無理をしないで…」と気遣われるよりも、自分のやっていることの価値を分かってもらいたいのです!
男性が自らの助けを必要とし、頼りとしてくれる女性を求めるのも、「尊敬されている実感」が欲しいから。
そのため、奥さんが「一人で生きていけるわ」といった態度を見せようものなら、夫は勝手に萎えていき、そのうち自らの存在価値まで疑い始めるでしょう。「俺は必要ないんじゃないか」と。
逆に、妻から「あなたが頼りなのよ~」と言われれば、夫はどんなことでもするでしょう。
それこそ、皿も洗うし、ゴミ出しもやるし、地球の果てまでもお遣いに出てくれるに違いありません。男にとってはどんなハードな労働よりも、“頼られないこと”のほうが苦痛なのです。
この際、夫を“ウルトラマン”だと思ってください。彼には「自分が地球(家庭)の平和を守り、人類(家族)の幸せを守っている!」という“幸せな錯覚”(!?)が必要なのです。
「地球上の誰も、僕の力を必要としていない…」と感じてしまった日には、彼は“光の国”に閉じこもってしまうでしょう。(←ウルトラマンの引きこもり現象:汗)
夫たちのカラータイマーにエネルギーを注ぎ続けるのは、感謝、称賛、そして尊敬というエールなのだ、ということを覚えておいてください。
妻が”女神様”でいるためには
一方、女性はいつでも自分を愛し、大切にしてくれる存在を求めています。「愛されている実感」が必要だからです。
もし夫が、話しかけても素っ気なく、お願いしても覚えておらず、食事を作っても“美味しい”の一言もない、となると、妻たちの表情は曇り、張り詰めた空気を醸し出し、終いには、自らの存在価値を見失い始めることでしょう。「私はあなたにとって何なの?」
女性が得たいのは愛情であり、関心です。また苦労を労い、共感してもらうことでしょう。
夫のちょっとした気遣いや心ある一言、「おつかれさま」「いつもありがとう」「今日もきれいだよ」(←これを言えたら世界が平和になるはず!)といった一言があれば、奥様たちの表情は変わり、声のトーンから立ち振る舞いまで変わってくるに違いありません。
そんな時、夫の目には、妻が神々しい光を放つ“女神様”に見えることでしょう。
愛ある言葉に始まり、妻の話を聞くこと、家事を助けること、朝お願いした物を忘れずに買ってくること、二人の記念日を忘れずに祝うことに至るまで、女性はそうした一つ一つを男性の“愛情”として受け取ります。
逆に言うと、言葉がない、話を聞かない、体調が悪いのに気付かない、記念日も覚えていない、となると、それはイコール、「私に関心がない」「大事にされていない」「愛情がなくなった」と思えてしまうのです。
愛情と関心を注ぐことをやめたら、女神のような素敵な奥様も、“白雪姫の魔女”に変わってしまうでしょう。そのうち、食卓に怪しいリンゴが並べられるかもしれません。(汗)
妻たちを輝かせ続けるには、愛情と関心、そして慰労という“ビタミンI(愛)”が必要なのです!!
互いの心の泉を満たそう
新婚当初、「うちの夫(妻)、最高~!」と言っていたカップルでも、結婚生活が始まれば、必ずどこかで暗唱に乗り上げるでしょう。
夫の尊敬できる部分、妻の愛らしい部分は“氷山の一角”であり、やがては尊敬し難く、愛し難い“水面下の氷山”に気付くからです。
そんな現実に直面した時のために、次のメッセージをお伝えします。
まずは奥様方へ。いきなり「夫を尊敬してください」という無理難題(?)を押し付けようとは思いません。
ただ、豊かな夫婦関係を築くためにも、彼を上手に立て、称えて、頼りとしてください。
不満を言い続けて、夫のやる気を削ぎ、家の役にも立たないような夫にしてしまうより、彼のプライドを充足させ、やる気にさせ、あなたのために働かせ続ける(?)ほうが賢明ですよね? これが、男を手の平で転がす方法です。
一方で、夫の皆様へ。女性はいつでも愛情と関心を欲しています。小さな愛情表現でも構いません。愛情を言葉と行動で表してあげてください。
もし結婚当初と比べ、妻の言葉がきつい、表情が険しい、優しさや笑顔がなくなった、とすれば、それはあなたから充当されるべき愛情という泉がカラッカラに枯渇しているからなのかもしれません。
逆に、その泉に愛情のしずくを注ぎ続けたなら、必ず奥様の笑顔を取り戻すことができるでしょう。
愛情と尊敬が互いの心の泉を満たすのです。
その泉が満たされれば、男性は自信感を取り戻し、女性たち再び美しい輝きを放ち始めることでしょう。
まとめ
- 男性は頼られたい存在。誰かに力を必要とされて自己価値感が満たされる。感謝、称賛、尊敬が最高のエールに。
- 女性は愛されたい存在。誰かに愛され大切にされて自己価値感が満たされる。愛情、関心、慰労が最高の栄養素。
- 妻は夫を立て、称えて、頼りとすること。夫は妻に愛情と関心を注ぐことが夫婦円満の秘訣であり、互いのエネルギー源となる。