聴こえづらい言葉がけ

学年が上がり先生が交代、調子を崩す

けんの通う支援学校はひとつのクラスが10名前後で、けんが一年生の時は3人の先生が見て下さっていました。

一年生から二年生へと上がる時、クラスを担当してくださる先生が代わり、今度は新しく2人の先生が。

4月~5月、けんは学校で落ち着かない様子で、泣いたり腕噛みをしたりということが多くありました。

「担任の先生が代わったことが大きいのかな?」と思い、放デイの先生に相談したところ、意外な答えが返ってきました。

「たぶん、指示が分からないのだと思います」

指示が分からない?

「指示が分からない」とはどういうことでしょうか?

私は最初、「指示の微妙な出し方」とか「言葉づかい」が前の先生と変わった、という話だと思いました。

先生に訊くと「それもあるけど、それだけではない」ということだそうで、例えば全く同じように指示を出しているつもりでも「声のトーン」が代わると「聴きとれない」ということがあるそうです。

自閉症児、特にけんの場合は「自閉症もどき」(参照:「自閉症」って本当は何だろう?)ですから、視覚・聴覚・触覚などの働きに問題があります。

けんの耳は、私たちの声や言葉が聴き取りにくいことがあるようです。

(言葉の習得が遅いのも、口だけでなく耳の問題もあるのかも)

なので 二年生になって先生が代わり、指示の出し方だけでなく 指示を出す時の声のトーンが変わると、「聴きとりにくくて、どうしたら良いのか分からない(泣)」

これが調子を崩している原因ではないかというのです。



ドア閉めた!

その頃、けんはトイレのドアを開けたままで用をたす癖がありました。

ところが放デイでは先生の声掛け一つで、しっかりドアを閉めてトイレをしているというのです。

試しに、けんが家でトイレをしている時、先生のその時の声掛けを言葉だけでなくトーンも似せてやってみました。

「けーん、ドア閉めないなら、出ておいで~」

けんはトイレの半開きのドアから顔を出し、ニヤリとしたかと思うと

「バタン!」

ドアを閉めたのです・・・!

今までどんなに言ってもダメだったのに・・・!

これには夫婦で驚いてしまいました。

本人がまだそこまでしゃべれないので、本当かどうかは確認が取れませんが、どうやら放デイの先生が言うように、声のトーンによって「聴こえづらい言葉がけ」と「聴こえやすい言葉がけ」があるようです。

自閉症児は「指示が分かっていても、自分をコントロールできない」ということもあるといいます。

でもそれ以前に「そもそも指示が聴き取れなくて、どうしたらいいか分からない」ということもあるんですね。

「自閉症」自体がまだ完全に解明されていない現状で、けんに関わってくださる色々な方々から教えていただくことが、本当に大切だと感じました。


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