けんは 厳密に言えば「自閉症」でなく「混合性障害」
我が家の長男 けんは自閉症です。
「自閉症」と一言で言っても、人によって異なる部分が大きいようです。
特に、阿多義明先生の説明(『自閉症の治し方!』東京経済)によれば、「自閉症」という診断には少なくとも 以下の二つの障害(症状は似ていても原因が異なる)が含まれているそうです。
- 「材料はそろっているけど企画力に障害がある本当の自閉症」
- 「企画力はあるけど材料が不足している自閉症もどき(混合性障害)」
自分の子どもが、このどちらの障害なのだろうか?というのは、大きなポイントだと思います。
(※「自閉症」とか「自閉症スペクトラム」などと診断される子どもさんのうち、割合的には混合性障害の方がかなり多いと阿多先生は言っています)
この分類に従えば、けんは「自閉症もどき」(混合性障害)です。
つまり企画力はあるけれど視覚・聴覚・触覚などの感覚や機能に障害があります。
ちなみに企画力というのは、例えば 棚の上にある物を取って欲しい場合に、人にどう働きかければいいのか?どうやったらどういう結果になるか? ということを企画する力のことだそうです。
けんは結構、親の反応を計算して行動するところがあるので、企画力はあるはず。
「パパ」が「ガァガァ」になる
それで けんは、身体の色々なところの使い方が不器用(材料不足)なので、訓練をしてあげる必要があります。
今回は「口」に着目。
①アイスを食べる時
私が最初に「けんの口ってどうなってるの?」と思ったのは、もっと幼い時にアイスを食べる様子を見たときです。
多分、冷たさに対して口の中が過敏だったのでしょう。
アイスを口に入れる時、やたらと口を大きく開いて、
「アイスは食べたいけど・・・舌に触れるか?触れないか?あ~、触れる~!」
という感じで、アイスが舌に触れる瞬間を異常に警戒しているようだったのです。
当時はまだ療育らしい療育をしておらず、夫婦ともに まったく勉強していなかったため、このことの意味をあまり理解していませんでした。
②カレーライスを食べる時
次に、カレーライスの食べ方を見ていると、けんは ほとんど噛みません。
流し込むように、ほぼそのまま飲み込んでいます。
よく見ていると、麺類もほとんど噛みません。
要は「奥歯で噛む」ということが苦手な口なのだと思います。
それは偏食にもつながっていて、以前は硬いものを食べようとしませんでした。
最近になって放デイで「硬いおやつ」を色々と食べさせてもらい、奥歯で噛むこともし始め、少しずつ苦手なものも食べられるようになってきました。
口の中の感覚、あごの力、舌の使い方、のどの機能など、色々なことが関係しているようです。
③「パパ」が「ガァガァ」になる
先日、仕事に空きができたので、午前中にけんの支援学校に見学に行きました。(学校にお願いして)
最初はけんに見つからないように隠れて教室の外から覗いていたのですが、ずっとは無理なので、にゅっと顔を出してみました。
けんは「あれ!?なんで? パパ来てんじゃん!」・・・みたいな表情。
先生によればその後、張り切って、いつもの倍 頑張っていたそうです。笑
それでその日、けんが帰宅。
ママが「今日、パパがいたでしょ?」と聞くと
少し「ニヤリ」としながら「ガァガァ」と けん。
これでハッキリしたのは、「パパ」という発音が「ガァガァ」になるということ。
言葉の概念は育つ!口を鍛える必要がある!
けんが保育所に通っていた時、まだ一言も発語しませんでした。
当時は私たち夫婦も全くの無知であり、「けんに言葉の概念は生まれるのか?」という疑問すら持っていました。
ですが、それは無知ゆえの愚かな疑問でした。
けんは「口が不器用」なのです。
しゃべりたいけれども、口がうまく動かない。
他の子のようにうまく発音できないので 「気が乗らない(恥ずかしい)」ということもあるでしょう。
他にも聴覚の働きが悪ければ、周りの人がしゃべっている言葉の発音を正確に拾えておらず、単語を正確に記憶できていないということもあるかも知れません。
「こんなに不器用だったのか!?」
我が家では放デイでの活動を参考に口の訓練を始めました。
「ストローで息を吹いてボールを転がす」という単純なことを、けんは苦戦しながらやります。
口をとがらせて「ウ」のかたちを作るのが苦手。
こんなに不器用だったのか!?
改めてビックリ。
ですけども、しゃべれない原因が分かって来たということは、何をどう訓練すれば良いのかという解決策が見えてくることでもあります。
扱いにくい身体を抱えて、必死に頑張っている けん。
ガンバレー!
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