おはようございます。
上司から紹介された『ストレングスモデル』(チャールズ・A・ラップ)という本を読みました。
この本自体は精神障害の方々がリカバリーして社会復帰していくために、どのように支援していくのか?についての考え方や観点などが書いてあります。
読みながら、けんについても考えさせられる部分があり、書いてみようと思います。
「自立した一人の人間」として
私もまだ一読しただけで、とても整理して語れるレベルではありませんが、ひとまず私が理解できたことを書いてみると、、、
精神障害者がリカバリーしていく際にマイナスに働きやすいのは、
専門家がその人の病気に着目しすぎるあまり「あなたは病気だから」といって過保護な対応をすることだそうです。
そうすればするほど、その人は自分で判断したり、自分の人生に希望や願いを持ったり、ごく普通の社会関係を持ったりする機会を失ってしまいます。
そして最終的に「私=病気で自分では何もできない」という思考にはまり込んでしまうそうです。
病気に焦点を当てるのではなく、その人が持っている強み(ストレングス)に焦点を当て、自分で選び判断をする機会を提供し、極力、普通の社会関係を持てるように手伝い、人生の希望を持てるようにまでなれば、
「私は自立した一人の人間で、自分の人生を自分で豊かにしていくことができる」
という自覚を持てるようになり、次第に社会にリカバリーしていくというのです。
過保護になりやすい
前回、「精神障害を患う方々の中には、元々発達障害を抱えていた方が少なくない」という話題に触れました。
けんの場合、発達障害(自閉症)に加え、知的障害があります。
そうすると、本人だけに任せられないことも多く、どうしても「自由を制限」したり、「親が判断してけんを従わせる」という場面が多くなってきます。
こういうことも、発達障害者が二次障害として精神障害を患いやすい原因になっているのではないかと思います。
けんへの対応にしても、上のストレングスモデルの理論に当てはめれば、
けんが「自分は自立した一人の人間である」という自覚を持ちにくくさせてしまう、過保護な対応に似てきてしまうかも知れません。
例えば、釣り公園に行くと・・・
私は釣りが好きですが、釣り場に子ども達を連れていくのは緊張します。
小4の長女はまだいいにしても、けんは走り回りますし、きーちゃん(4歳)は海をのぞき込んでそのまま落ちてしまうかも知れません。
なので、子ども達と釣りを楽しみたくても、普通の船着き場のような場所は危なくてダメです(特にけんがいると)。
それで先日は「釣り公園」に行ってきました。
ファミリーで楽しめるように、ちゃんと転落防止の柵がついていますし、敷地は囲ってあってけんが視界から消えたとしても、いなくなることは無さそうな環境です。
長女は釣りに興味を持って、教えてあげると自分で竿をもって釣り始めました。
でもけんは「釣れるまで待つ」ということができないので、
すぐに走ってどこかに行ってしまいます。
20秒くらい目を離したら、高いところによじ登ったり、他の釣り客の近くをウロウロ歩いていて、
「怪我をしないか」「他の人に迷惑をかけないか」
など気になって、すぐに「けーん」と呼び戻さなければなりません。
普通の子の場合と比べると・・・
周りには他のファミリーも遊びに来ていて、親子で釣りを楽しむ家族もいれば、親から離れて遊具で遊ぶ子どももいます。
普通の子であれば、
「お父さん、〇〇で遊んでくるね」
「わかった、見える範囲で遊ぶんだよ」
などと言って、あとは子ども自身に任せることができます。
子どもは少しだけ制限がつくものの、自分自身の自由を行使して遊ぶことができます。
しかし、けんの場合、上のようなコトバでのやり取りはまだ困難。。。
それで危険があるところや他のお客さんが多いところでは、
「けーん!」
と言って何度も呼び戻されます。
これでは自分でルールや制限範囲を理解して自由に遊んでいるのではなく、
「パパ次第」というか「パパが口を出したら、自分はストップしなければならない」という感覚になってしまうのではないか、と思います。
もう少し自由にさせてあげられる、お客さんの少ない場所、他の人の迷惑になりにくい遊び場、危険の少ない環境であれば、
すべてけん自身に任せることもできるのですが。。。
障害を持ちながらも健全な自己意識を育てる
今のところ、危険を避けるため、そして他の人に迷惑をかけないために、仕方なく取っている対応ではありますが、
これがずっと続くと、あまり健全ではないように思います。
少しずつけん自身の「自由」とか「自己判断」をさせる場面を、どうやって増やしていくのか?
ということを考えていくことが、障害を持ちながらも健全な自己意識を育てていくために、大切になってくると感じます。
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