「注意引き」の行動
けんはよく、親や先生の注意を引きたいがために、良くない行動をすることがあります。
一番多いのは、機嫌が悪い時など、リビングのドアを強くバタンバタンやって、敢えて迷惑をかけるという行動です。笑
あとは わざとに足をうるさくドタバタ(足踏み)する、妹を小突く、道端で寝そべる、など。。。
ひどい時は、いきなりその場で「おしっこをする」という必殺技も・・・‼
おいっ!!
って思わず、言ってしまいます。
親はつい反応してしまう
そういう注意引きの行動が多くなると、親としてはつい、けん に悪事をさせないがために 慌てて叱ったりします。
でもそうすると逆効果で、ますます注意引き行動が多くなってしまったことがあります。
「注意引き行動」という言葉にも表れている通り、けんの目的は親の注意を引くことです。
だから、どんな反応であれ、その行動を通して親が反応してくれるということを知ると、けんは「もっとそういう行動に走る」という結果になります。
そんな時は、反応しないのが得策なのだと、学校や放デイの先生から教わりました。
我が家でも一時期、けんの注意引き行動が多く見られたので、無反応を貫いたことがありました。
その時は効果てきめん。徐々に減っていきました。
「おしっこ事件」再び
そうは言っても、トイレじゃないところでいきなり息子がおしっこして、「反応しない」ってできます!?
おしっこ程ではなくても、問題行動を見ると、親はオロオロしたり怒ってしまったり。。。
かなりしっかり意識していないと、ついつい反応してしまう私たち夫婦です。
ここ半年くらい、注意引きで「おしっこ」をするということはなくなっていましたが、一昨日、学校でそういうことがあったと聞いてびっくり!
注意引き行動の中でも、これはヘビー級。
よく振り返ってみると、注意引き行動に対して無反応を意識していた一時期よりも、最近はだいぶ普通の反応に戻ってしまっていました。
またよく意識しないとね と夫婦で話しました。
昔、友達が起こした「おしっこ事件」を思い出した・・・!
私が小学生の頃、私の学校にも発達障害の子ども達が通う「養護学級」というクラスがありました。
たしか「かずくん」とか「せいやくん」っていう同学年の友達がいたような。。。
思い出してみると、せいやくんが教室で「おしっこ事件」を起こしたことが、たしかあったな~という気がします。
小学生ですから、それを見たクラスの友達はみんな「きたねー!」とか「うわー!」とか言って騒ぎになります。
健常者からしてみると「トイレじゃないところでおしっこをする」という行為が、まさか「注意を引きたい」という気持ちの表れだなんて、夢にも思いません。
ただ「わけが分からない」行動というだけです。
ただ表現方法が分からないだけ
たぶん あの時のせいや君も、けんと同じように、先生の注意を引きたくてやったのかも知れません。
健常者からすれば「奇異でしかない」行動。。。
「自閉症の子どもには、自分たちと同じような心や人格がないのではないか?」という風に映ってしまうかも知れません。
でも、けんを通して自閉の世界に触れてみると、
自閉症の子どもにも、ちゃんと私たちと同じ心があり、けんなりにちゃんとした理由があって、注意引き行動をするということが分かってきました。
ただ、表現方法が分からないだけ。
それが分かっていれば、突然おしっこをしてしまっても
「あぁ、お前はもっと関心を持ってほしいんだね」
と心を通わすことは可能です。
行動は奇異でも、動機は普通なのです。
こういう一つ一つの誤解を通して、親や周囲の人たちが、自閉症児と心を通わせることをあきらめてしまうとしたら、とてももったいないことではないかと、考えさせられました。
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