水族館でのパパの失敗

今日はけんの事よりも、自閉症児の親としての私自身の在り方をメインにして書きたいと思います。

障害児を育てながら、どうしても他の人に迷惑をかけてしまう時があると思います。

そんな時に親としてどうするべきか?

私の失敗談をもとに書きます。

イルカショーでの出来事

けんが支援学校に入学後すぐの初夏のことだったと思います。

けんは月曜日が振り替え休日でした。

事前に分かっていたので、私も休暇を取って、その日はけんと一対一で過ごすことにしました。

療育手帳を提示すれば親子共に安くなるということで、水族館へGo!

アザラシが水槽の中で行ったり来たりするのを けんはゆっくりと堪能。

その後、イルカショーを観ました。

けんは多動傾向がありましたし、まだ療育が進んでおらず、イルカショーの途中で席から立ち上がったり、前の座席との間にある手すりにつかまってジャンプしたりしていました。

ちょうど私たちの前に若いカップルが座っていたのですが、男性が少しびっくりして けんを見て「危ないから気を付けてね」と言ってくれました。

父親の私からすれば、いつものけんにしては、まだ走り回っている訳ではありませんでしたし、ジャンプはしていても同じ場所にとどまっているのはマシな方でした。

しかし一般的な感覚からすれば、イルカショーは座ってみるものですし、後ろでジャンプされたら落ち着かないでしょう。

私は「けん」と声をかけ、座席をポンポンと叩き、けんを座らせました。でも10秒後にはまた立ち上がってジャンプが始まってしまいます。

けんにしてみれば、イルカショーでイルカが水面から跳ね上がり、その度に客席から拍手が沸き起こるという状況は「静かにしなさい」という環境ではなく、何かお祭り騒ぎのような「騒いでもいいかのような」環境だったかも知れません。

(ちなみに家族写真の撮影でフォトスタジオを利用する時にも、私はスタッフの方に「あまり盛り上げないでください」とお願いしています。盛り上げると、けんはじっとするよりは、楽しくなってしまって、撮影中に動いてしまうからです。言葉よりも、周りの雰囲気や表情などをから場の空気を読もうとするので、そうなりやすいのです。)

それで私はけんを座席に座らせることを諦め、ある程度、けんに任せることにしました。

療育がある程度進んだ今であれば「座って観ます」という指示に従うことができるでしょうけど、当時のけんに対しては、私は彼が機嫌を悪くするかもしれない指示を出しませんでした。



「ちゃんと教育しろよ!」

こうして イルカショーが終わりました。

けんは真っ先に座席を立って階段を登ろうとしましたが、混んでいたため、私は手を引っ張って順番を待たせました。

前の座席のカップルが先に移動を始めましたが、去り際に女性の方(ずっと後ろのけんが気になっていたらしい)が私に向かってひと言

「ちゃんと教育しろよ!」

と言いました。大声ではありませんでしたが、私に向かってしっかりとそのように言われました。

若い女性がオヤジに向かってこんな風に言うのですから、かなり腹を立てて、あるいは「常識外れだな、言ってやらなければ!」と覚悟しておっしゃったのかも知れません。

けんは一見すると、障害を持っている子に見えないところがあります。この若いカップルにしても、けんは背後にいたわけですので、障害児だとは思っていなかったでしょう。

この瞬間 私はこのカップルから見て「自分の子が暴れているのに、放置している父親」と映っていたに違いありません。

私はとっさに、「けんが障害児であることを伝えれば『そうだったのか』と怒りをおさめてもらえるのではないか」と思い

「すいません。この子はちょっと知恵おくれなんです。」

と言いました。

(「知恵おくれ」は最近では差別用語かも知れませんが、私自身が障害児の親ですし、相手に分かりやすいように、とっさにその表現が出ました)

その女性は私に「教育しろ」と言った後、すぐに階段を登って行ったため良く聞こえなかったのか、男性の方が私の言葉を彼女に伝えている様子が見えました。

とっさの事でしたが そのようなことがあり、その後、私とけんは再び 水族館を見て回りました。

けんは多動なので、一個の水槽の前にそんなに長くはいません。それで水族館の中を一度ではなく、何周も回ります。

一周回ってくると、先ほどの男性がトイレの前に立っていました。女性はいません。

それで私は

「先ほどはすみませんでした」

と頭を下げました。あちらもペコリ。

そしてもう一周回ってくると、15分くらいは経っていたと思いますが、先ほどの男性がまだトイレの前に立っています。どうやら女性を待っているようです。

またこちらが何か言ってもしつこいですから、今度は何も言わずに通過。。。

申し訳ないことを言ってしまった・・・

けんと手をつないで水族館の中をグルグルしながら、私は先ほどの女性が恐らくずっとトイレに入っていて、男性はそれを待っているのだろうと推測しました。

ここからは私の推測です。

恐らくあの女性は、けんが障害児だと知らずに私に「ちゃんと教育しろよ!」と言ったと思いますが、その後、「知恵おくれなんです」と聞かされ、ショックを受け、「酷いことを言ってしまった」と ご自分を責めるような気持ちになったのではないかと思うのです。

「もしもトイレの中で泣いていたら・・・」

あくまでも推測ですが。。。

そうだったとしたら、本当に申し訳ないことを言ったのは、私の方でした。ど

障害を言い訳にせず

▼ その日、水槽の前の けん

あの時、どうすべきだったのか?という正解を、未だに私は見つけてはいません。

しかし二つの教訓を得たと思っています。

一つ目に、我が子が障害児でも、周りの方に迷惑をかけるようならば、一生懸命に教育することを諦めてはいけないということです。

そして二つ目は、我が子のことで親が人から責められるときには、できるだけ言い訳をしてはいけない、ということです。

けんが障害児であることを伝えるとしても、それは相手の気持ちにプラスになる場合であって、自分が責められることから逃げるためであってはいけない、そんな風に思いました。

「自立に向けて支援する」ということは「障害を言い訳にしないで社会の中で生きられる力をつけさせる」ということかも知れません。



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