「さるかに合戦」と小さな誇り



ぞうさん役ができた

けんは今年、特別支援学校の二年生。

半年くらい前になりますが、学校の発表会で二年生は「さるかに合戦」をやりました。

ちょっと物語をアレンジしてあって、「ぞうさん」の役。

(たぶん、元のお話では「うんち」なんですが、可哀そうだから ぞうさんに変えたのかな?)

自分の身体よりもでっかいボールを転がして、舞台の前を行ったり来たりする役でした。

歌に合わせて、みんなで手をつないで、体を揺らしながら踊る場面もありました。

健常者にとっては 何でもないことですが、

「決められた通りの動き」を、

本番の「観客の目がある中で」することや、

「自分が動く順番を待つこと」など。。。

これらは数年前のけんにはとても困難なことでした。

けんはしっかりと、そして楽しそうに、「ぞうさん」役を全うしました。

数年前は凹んだ

数年前、けんがまだ保育所に通っていた頃。

当時はまだ、療育らしい療育は始められていませんでした。

保育所の発表会に観に行きましたが、親として少し凹んだのを覚えています。

発表の間じゅう、先生が付きっ切りでけんの腕をつかんで押さえておかなければ、走ってどこかに行ってしまうのです。

あの時は順番を待つことも、周りに合わせることも、音楽と一緒に踊ることも、けんには難しかったようです。

自宅でけんを見ているのとは違い、発表会の様子を見ることで「集団行動が苦手」であることや、「他の子どもさんとの違い」などを否が応でも実感しました。

小さなことを誇りに思う

私たち夫婦は けんが小さなことを出来るようになると、誇りを感じます。

例えば、けんが

「みんなと一緒に行動できるようになってきたこと」に誇りを感じます。

お風呂上がりのドライヤーを、「キッチンタイマーが鳴ったらやめる」という約束を守れた時に誇りを感じます。

「ばんそうこう」という言葉を、下手な発音で言えるようになった時に、誇りを感じます。

自分の小さな要求を、言葉で伝えて来た時に、誇りを感じます。

・・・・・・


けんの将来的な自立のためには、もちろん、「人並みの能力」を身につけていく必要があると思います。

ですが、誇りを感じて生きていくためには、能力では劣っていても、「人並み以上の努力」があれば、それを感じることができるのではないか、と思っています。



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